ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

一粒のゴールデンライスを巡って:遺伝子組み換え食物についての世界的論争

 「神がきよめた物を、きよくないと言ってはならない」(使徒10:15)。
 2013年3月7日の米国ナショナル・パブリック・ラジオサイト(NPR)では、上記のような題で記事が書かれていました。
 これまで遺伝子組み換え食物については、大豆やトウモロコシなどについての情報が圧倒的に多かったのですが、ここに来て「ゴールデンライス」なるものが、新たな問題となっています。
写真

 写真の左側がゴールデンライス、右は白米です。
 ネットの情報によれば、「スイス連邦工科大学のインゴ・ポトリカス教授らとドイツのフライブルグ大学のペーター・ベイヤー教授らが開発した遺伝子組換えイネ。スイセンの遺伝子を組み込んでベータカロチン<体内でビタミンAに変換する物質>を産出するように作られたもので、コメが黄金色をしていることから<ゴールデンライス>と名づけられた」とあります。
 ネット情報によれば、その目的は「 飢餓貧困地域ではビタミンA不足により健康障害や失明などが起こっており、このゴールデンライスによってビタミンA不足を解消することができる」とありました。
 NPRによれば、こうした作物の研究は1984年に遡ります。ロックフェラー財団(米国の慈善事業団体。民間財団)の人々は、遺伝子組み換え技術により、貧困国の農夫たちにもっと大きな収穫が与えられると考え、フィリピンに国際稲研究所を設立し(*この年代はまちまちです)、その事についての話し合いを始めました。最初はそうした作物について懐疑的な研究者たちが多くいました。
 しかしロックフェラー財団は動き始めました。そうした技術の特許を持つ、モンサントシンジェンタ等の会社は特許権の無償使用を国際稲研究所に与えたからです。1999年まずスイスの研究者たちがイネに2つの遺伝子を組み込み、ベータカロチンを産生する事に成功しました。数年後ドイツでも、さらに改良されたものを生み出しました。
 研究者たちはその新しいゴールデンライスのボウル1杯の量で、ビタミンAを必要とする子どもたちの日々の分の60パーセントを供給する事が出来たと言っています。しかしその根拠は?
 米国資金の援助を受けたタフツ大学の研究者たちは、2008年その研究を中国の子どもたちに実際試してみました。この人体実験秘密裡に行われたようですが、2012年グリーンピース・インターナショナルはこの事実をすっぱ抜きました。(http://www.greenpeace.org/international/en/news/Blogs/makingwaves/chinese-children-used-in-genetically-engineer/blog/41960/)。
 研究者たちはこの食物を遺伝子組み換えのものとは言わず、ベータカロチンを多く含む特別な種類のコメだと言っていたそうです。
 それ以来今日まで激しい論争が全世界で起きています。フィリピンで働いている或る人は、それが人々を助ける為でなく、自分たちの利益の為だと批判しました。しかしGM食物を推進する人々は「バイオ技術は貧乏人には良い」と主張して譲りません。
 でも万物を造られた神は、それらに対する権威を所持しておられます。その領域を犯し、遺伝子全体にわたる精巧なネットワークを破壊し、人間を危機に追い込む、無信仰で倫理感覚もない研究者たちを罰せずにはおかないでしょう。