ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

カーギル社穀物輸出の陰で

 「聞きなさい。金持ちたち。あなたがたの上に迫って来る悲惨を思って泣き叫びなさい。あなたがたの富は腐っており、あなたがたの着物は虫に食われており」(ヤコブ5:1−2)。
 2013年8月に図書館で借りた堤未果さんの『(株)貧困大国アメリカ』から学んだ事柄の三つ目です。

 おそらく米国では1990年代までは、家畜農家といえども広大農場で鶏、牛、豚などを放し飼いにして、その動物たちにふさわしい牧草等を餌として与えていた、その光景は残っていたのではないでしょうか?
 しかし80年代後半のレーガン政権になると、強い農業国アメリカを作る為、これまでの様々な規制を緩和する方向に向かいました。従来の小規模農家による経営は、時代遅れで国の成長の足を引っ張る非効率なものとされ、「低コスト」「短期大量生産」の旗印のもと、コンクリで囲った工場式農場に、上記の動物たちはぎゅう詰めにされるようになりました。そして成長ホルモン剤抗生物質が大量に投与され、ひ弱で図体だけは大きな家畜が作られてゆきました。

 その頃から米国ミネソタ州に本拠を置く世界最大の多国籍企業カーギル社も、精力的に動き出しました。世界における穀物市場占有率の実に4割を占めるこの社は、モンサント社と同じく遺伝子組み換えトウモロコシも作っており、それをコンクリ工場で牛に与え、成長した牛を日本にどんどん輸出しています。同社の戦略国はアジアですが、特に日本を目標にしています。危ないのは牛の場合「狂牛病」です。カーギル社は本来草食動物の牛に、GMトウモロコシだけでなく、動物の骨髄や内臓肉などをタンパク質として与えていますから、そうした環境で異常な牛が生まれてくるのは当然でしょう。
 さらには同じように劣悪な環境下の養鶏場でも、鳥インフル大腸菌サルモネラ菌などによる病気が猛威を振るうようになり、2011年にはひき肉加工製品に潜んでいたサルモネラ菌感染が全米に広まった為、初の自主リコールを行なっています。
 工場で死ぬ牛、豚、鶏は2割を越えるそうですが、全てそれらを見込んでの飼育なのです。それで死んだ動物は、その肉を加工して生きている動物へとリサイクルされます。
 このカーギル社、民間では元マイクロソフトビル・ゲイツ夫妻の財団法人が支援しており、政府でも食品安全補償システムは、回転ドアと呼ばれる人事方式でモンサントの重役などが抜擢されていて、その内容が大幅に規制緩和されていますから、これからも一段と世界征服に向けて活動するでしょう。
 日本では中国の食品が危ないなどとよく噂されますが、米国のほうがもっとひどい位です。控えて買わないのが賢いやり方でしょう。