ステファン・ホーキング:人類を救う為には宇宙探査がかぎとなる
「天を創造した方、すなわち神、地を形造り、これを仕上げた方、すなわちこれを堅く立てた方、これを茫漠としたものに創造せず、人の住みかにこれを形造った方、まことに、この【主】がこう仰せられる。『わたしが【主】である。ほかにはいない』」(イザヤ45:18)。
2013年4月10日のハフポストサイトでは、上記の題で有名な英国の理論宇宙物理学者であるホーキングの近況について、アリシア・チャンという人が記事にしていました。
ホーキング氏が難病の筋萎縮性側索硬化症を患っているのは良く知られており、発症から実に50年近くも健在である事には驚かされます(現在71歳)。それに有効な治療法はなく、通常10年以上生きるのは難しいと言われています。
ホーキング氏は少しでも病の進行を遅らせるべく、米国ロサンジェルスにあるカリフォルニア大学ロサンゼルス校セダーズ・サイナイ・メディカル・センターを訪問し、医師、看護師、医療従事者たちの前で所見を述べました。
氏はケンブリッジ大学で極めて難解な宇宙論を研究し続け、『ホーキング 宇宙を語る』という本を出して、日本でもベストセラーとなりました。ブラックホールとか宇宙の起源論は、氏が先駆けて発表したものが多いと言えるでしょう。
しかし氏は徹底した無神論者でもありました(最初はそれほどでもなかったようですが)。ネットから氏の発言を拾ってみます。
「宇宙創造の理論において、もはや神の居場所はない」。
「脳はコンピューターのようなもの。部品が壊れれば動作しなくなる。壊れたコンピューターには天国も来世もない。天国は、暗闇を恐れる人間のための架空の世界」。
そしてこのロサンゼルスにおいてはこんな助言をしています。*あまり発言がないのは、その切迫した病の為と思われます。
「この地球という脆い惑星を超えて逃げなければ、あと千年も人間は生き残れないだろう」。
だから人間の為にも宇宙探査を続ける事が必須であると。
「もし宇宙がどのように作動しているか理解出来たら、或る程度それを制御出来る」。
「足元を見るのではなく、星を見上げなさい。好奇心を持ちなさい」。
そして氏の死生観と言えば、「わたしはこの49年間、死と隣り合わせに生きてきた。死を恐れてはいないが、死に急いでもいない。やりたいことがまだたくさんある」。
しかし本当にそうでしょうか?冒頭の聖書箇所は、神が人間の住処として地球を創造された事を記しています。そこを脱出しても、人間という生命体は存続出来ません。
そして地球に住む私たちが宇宙とそこにある諸々の天体や星を眺めた時、詩篇作者が「あなたの指のわざである天を見、あなたが整えられた月や星を見ますのに、人とは、何者なのでしょう。あなたがこれを心に留められるとは。人の子とは、何者なのでしょう。あなたがこれを顧みられるとは」(詩8:3−4)と証したように、神は無に等しい地球の人間を心に留め、豊かに顧みて下さるという事を知ります。
同じ宇宙を研究したパスカルは、そこに神を見出し、ホーキング氏とは対照的となりました。そしてパスカルは「神なき人間の惨めさ。神とともにある人間の至福」(パンセ60)という信仰の境地に達したのでした。