ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

鳥インフルH7N9の猛威

 「外には剣、内には疫病とききんがあり、野にいる者は剣に死に、町にいる者はききんと疫病に滅ぼし尽くされる」(エゼキエル7:15)。
 2013年4月18日、サンフランシスコSFゲイトコムサイトでは、上記の題で、新型鳥インフルの事に触れています。
 1990年代後半と2003年にH5N1鳥インフルエンザが大流行し、東南アジアを主体に中東、アフリカまで広がり、特にアジアでの死者が多く出た事は、まだ記憶に新しいところです。

 一方H1N1豚インフルは、2009年メキシコや米国で大流行し、翌年終息しましたが、H5N1ほどの致死率には至りませんでした。
 そして今度は中国を主体にH7N9鳥インフルが猛威を振るっています。上記サイトの時点で感染者80人、志望者7人となっていましたが、3日後の朝日報道では感染97人、死亡者18人と増えています。ただ致死率は2割未満と低下したそうです。しかし25日の朝日によると、中国本土の感染109人、死亡者22人と徐々に増え、これまでの本土限定から、蘇州に滞在した男性が台湾に戻った際発熱、症状悪化で、初めてこのウイルス感染が確認されました。憂慮すべきはこの男性が本土に居る時鳥と接触せず、加熱していない鶏肉を食べた事がないという事実です。それによって今後人から人への感染がかなり広がる可能性が出て来ました。こうした状況に鑑みて、厚生労働省はこのH7N9鳥インフルを指定感染症に決定しました。
 既に過去ログでも触れた事がありますが、このインフルの構造を左上図の方に記しておきました。ヘマグルチニン=赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)というものが、球状に包んでいる外膜からスパイク状に飛び出ています。このHAの亜型が16あり、H1、H2…というように名付けられています。NAの亜型は9つあり、N1、N2…と名付けられています。そこで今回H7N9の型のものが出現しました。まず赤血球凝集素は、ウイルスが宿主細胞に侵入する際に必要なのもので、それが宿主細胞のウイルス受容体(シアル酸を含む糖鎖)に結合して、宿主細胞内に侵入します。そしてそこで増殖します。

 次にそのウイルスが宿主細胞から遊離する際、ノイラミニダーゼはヘマグルチニンと宿主細胞のウイルス受容体(シアル酸を含む糖鎖)との結合を外します。サイトから借りた画像ではハサミが描かれています。

 実に巧妙な仕組みです。しかしこのノイラミニダーゼについての研究は既に進められていて、その阻害薬(=タミフルリレンザ等)は、ウイルスを感染した細胞内に閉じ込める働きをしています。今度のH7N9インフルで、それが効くかどうかが注目されます。
 もしこのH7N9株がパンデミック(=世界的な流行)となってしまったら、私たちの防御策としては、中国・台湾などの旅行を控える事によって防ぐしかないでしょう。とにかく僅か3週間という短期間のうちに、このウイルスが人を苦しませて来たのが、心配の種です。
 初期症状は熱、咳、疲労感、筋肉痛などですが、それが比較的高齢の方ですと、肺炎にかかって命を落とす可能性があります。
 このように数年おきに発生する強毒のインフルですが、その発生源では一体どんな事が起っているのでしょうか?