日本維新の会共同代表橋本徹氏の暴言

　「姦淫してはならない… あなたの隣人の家を欲しがってはならない。すなわち隣人の妻、あるいは、その男奴隷、女奴隷、牛、ろば、すべてあなたの隣人のものを、欲しがってはならない」（出エジプト２０：１４，１７）。
　２０１３年５月１３日大阪市長で日本維新の会共同代表橋下徹氏が、従軍慰安婦問題でトンデモない発言をして良識ある人々をあっと驚かせました。

　このニュースはニューヨーク・タイムズの田淵広子記者が速やかに報じており、世界中に知れ渡った事でしょう。（http://www.nytimes.com/2013/05/14/world/asia/mayor-in-japan-says-comfort-women-played-a-necessary-role.html?_r=0）
　ＣＮＮニュース、ＢＢＣ放送、英国インデペンデント誌サイトや朝日新聞でも詳しく発言内容を伝えています。
　聖書では創造のはじめに人間アダムが造られた時、神は「人が、ひとりでいるのは良くない。わたしは彼のために、彼にふさわしい助け手を造ろう」（創世２：１８）と言われました。そしてこの男女創造の後、結婚制度も制定されました。「男はその父母を離れ、妻と結び合い、ふたりは一体となる」（同２：２５）。同様に「遊女と交われば一つからだとなる」（コリント第一６：１６）。
　さらに聖書は実際の姦淫を犯さなくても、厳しい事を言っています。「しかし、わたしはあなたがたに言います。だれでも情欲をいだいて女を見る者は、すでに心の中で姦淫を犯したのです」（マタイ５：２８）。
　これが今信仰者の少なくなっていると言われる欧米であっても、その根底に流れているキリスト教思想です。
　誰でも姦淫の罪を犯す可能性がある事は、欧米、日本人だけでなく、全ての人が潜在的に持っています。なぜなら全ての人がアダムの子孫であり、「すべての人は、罪を犯したので、神からの栄誉を受けることができず」（ローマ３：２３）とある通りです。だから米国人と言えども、「あなたがたのうちで罪のない者が、最初に彼女に石を投げなさい。」（ヨハネ８：７）と言われれば、皆その場を去って行くでしょう。
　それゆえ橋下氏が「アメリカも、世界も、日本の慰安婦だけを取り上げて、日本だけが性奴隷を活用していた特殊な人種と非難する。これは違う」（朝日５月１７日）は、そう外れた発言ではないでしょう。
　では橋下氏の発言の何が問題なのでしょうか？
１「夫も自分の妻を自分のからだのように愛さなければなりません。自分の妻を愛する者は自分を愛している…妻もまた自分の夫を敬いなさい」（エペソ５：２８，３３）とあるように、女性も男性と同じく対等の人権を有しています。それを赤の他人が侵害する事は許されません。橋下氏は女性を人間ではなく、道具と看做している点で、創造主である神を侮辱しています。
２橋下氏も石原氏も大変好戦的で、戦争の存在を認め平和を追求する熱心さはありません。本来これも「人の心から出て来るものは、悪い考え、不品行、盗み、殺人、姦淫、貪欲、よこしま、欺き、好色、ねたみ、そしり、高ぶり、愚かさであり、これらの悪はみな、内側から出て、人を汚すのです（マルコ７：２１〜２３）とある通り、心から生じる大変大きな罪です。
３「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で、命をかけて走ってゆくときに、どこかで休息させてあげようと思ったら慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる」と発言した事。誰だって分かる？とんでもない！信徒で応召した人は、原則敵を殺さない事だけでなく、もし携帯出来たとしたら聖書に休息を得たでしょう。間違っても慰安婦制度など認めません。
４朝鮮半島から強制され慰安所に連れて来られたと証言する多数の人々の証言を無視し、基本的に自由意志で来たという発言をしている事。聖書では「ふたりの証人または三人の証人の証言によって、死刑に処さなければならない。ひとりの証言で死刑にしてはならない」（申命１７：６）とある通り、複数の証言者の存在を重視しています。これを軽んじる事は被害者たちへのはなはだしい侮辱です。
５敵対する人も同じ事をやっているからと、自己を正当化しようとしている事。「ですから、すべて他人をさばく人よ。あなたに弁解の余地はありません。あなたは、他人をさばくことによって、自分自身を罪に定めています。さばくあなたが、それと同じことを行っているからです」（ローマ２：１）。原発の時もそうでしたが、私たちは福島に対して加害者の立場です。戦争も同様、加害者の子孫として、無関係だなどとうそぶく事は許されません。よしんば他国が同じ事をやったとしても、それで自己正当化など出来るわけがありません。神の御前に弁解の余地はないのです。普段から自己責任を主張する橋下氏、自省を回避し他人ばかり非難するのは卑怯です！
６特に沖縄での米兵の性暴力に対して、「風俗業の活用」を進言した事。性犯罪の抑止策として、風俗業を活用させようなどと米国に提案、米国を公然と侮辱しています。米軍では犯罪者を軍法で裁いています。米軍が激怒するのも当然でしょう。
　１７日の朝日夕刊では、遂に米国国務省も黙っておられず、橋下氏非難の正式表明をしました。極めて異例の事だそうですが、橋下氏かばう風潮や、だんまり戦術もあって、私たち日本人全体が橋下氏の考えと同じなのか、と疑問を抱かれれても不思議ではありません。私たちは断固沈黙するべきではありません！