ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

チェルノブイリでは危険は木々の中に潜んでいる

 「同様に、舌も小さな器官ですが、大きなことを言って誇るのです。ご覧なさい。あのように小さい火があのような大きい森を燃やします」(ヤコブ3:5)。
  2013年6月23日のデイリークライメットコムサイトでは、上記の題の記事がありました。6月22日の朝日新聞では、この27年間廃炉作業に手がすかず、爆発した4号機を覆う石棺の痛みがひどく、そこから漏れている炉の燃料は内部で即死に近い線量を示している事を伝えていました。

 しかし上記サイトではそれだけでなく、もしこの周辺の森で火災が生じた場合の危機的状況が伝えられています。
 事故から27年間、チェルノブイリの周辺の森林は放射性諸元素を吸収して来ました。火災はそれらを再び空に向かって放出させるかも知れません。もし夏がもっと長く、暑く、乾燥するようになれば容易に火災となります。
 ですからニコライ・オシエンコ氏は毎日原発周辺地域をパトロールしています。そして火災が生じたのを見つけると、すぐ火の見櫓から無線で他の場所の櫓に無線で伝え、応援を頼み、消し止めます。
 もし森が燃えているなら、ストロンチウム90、セシウム137、プルトニウム238と他の放射性元素が放出されているでしょう。煙の中で吸入可能な浮遊粒子として空高く運ばれます。それによる汚染の範囲は660平方マイルに及ぶと言われています。
 科学者の一人セルジュ・ツィブセフ氏は、こうした広い汚染地域で松の木が多すぎる事を指摘しています。その森林は容易に燃えて大火災を起こす可能性があります。木々が乾燥すると、昆虫もはびこり、非常に燃えやすくなるからです。
 しかし立ち入り禁止区域の森林は放置されたままです。下の方は濃い茂み、上の方は生命のない林冠となっています。
 干ばつの年だった1992年の大火災で、65平方マイル以上が燃えましたが、土壌や植物など生態系への放射性核種が再配分され、汚染地域によっては1986年時点と同じで、セシウムプルトニウムストロンチウムなどが地上10センチの所に留まっています。
 こうした野火による火災の危険性は2011年の研究まで、あまり重視されて来ませんでした。しかし研究者たちは今や最悪のシナリオを描く事が出来ています。5日間燃える大変熱い火災では、その進路を焼きつくし、煙はスエーデン、フィンランドと他のヨーロッパの国々にまで及ぶとの想定もあります。
 それにより原発近くでは10万人に180人ががんで死に、そこから遠く離れた地域でも、10万人に18人が死ぬという試算がされました。なにしろ通常の外部被ばくと、この新たな火災の煙の吸入で体内に入る核種の二重の被爆になるからです。
 こうした大火災への備えは十分ではありません。消防士の多くが専門的訓練を受けていませんし、防御服や呼吸具も十分ではありません。米国の消防士なら標準的装備なのですが。
 国連は最近、このもう一つのチェルノブイリ災害に対する可能性を認め、野火や他の環境問題に対処する為企画された、持続出来る発展計画に2億ドルを積み立てています。 
 日本の福島ではこうした森林火災に対する備えは出来ているでしょうか?