ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

人間による汚染で健康への影響に直面している1マイルもの深さにいる海洋魚

 「不正を蒔く者はわざわいを刈り取る。彼の怒りの杖はすたれる」(箴言22:8)。
 2015年3月25日のサイエンスデイリサイトでは、上記の題でオレゴン州立大学の研究成果が紹介されていました。こうしたタイプの研究としては初めてのものです。以下はその抄訳です。

 2千フィートから1マイル(600〜1600メートル)の深さの大陸斜面に生息している深海の海産魚に、肝臓病変、腫瘍、そして他の健康問題があり、それは人間がもたらした汚染と関係があるようです。
 フランス西部のビスケー湾で行われたこの研究はまた、「両性の」状態を備えた深海魚の一種を初めて発見しました。それはオスメスの生殖器官が混合したものです。抽出見本の採取は明らかに点源汚染(工場など特定の場所から汚染物質が排出されるような汚染源の事)のない領域でされ、一般的な海洋の状態を反映させていると思われます。
 この発見は英国でオレゴン州立大学環境漁業養殖センターや他の機関の科学者たちが、海洋環境研究誌に発表しました。それはヨーロッパ連合で支持されました。その研究は特に興味深いものです、とオレゴン州立大学の研究者たちは言いました。アメリカ西部の国立公園で数年前なされた他の研究と対照的だったからです。そこでもまた相当な汚染と魚の健康への影響が見つかりました。それには雄の魚が「メス化」し、卵を成長させていたのも含まれていました。左上画像。
 「米国の自然のままの高山の湖から、フランスやスペインの海岸沖の海洋水の範囲の地域に至るまで、私たちは今おそらく人間のもたらした汚染の証拠を見つけています。それはあまりにひどく、魚に対して病的な影響を与えています」と、オレゴン州立大理科大学のマイケル・ケント教授は言いました。彼はこうした研究プロジェクトの共著者で、魚の病気の国際的な専門家です。
 ケント教授は「海洋の深い所では汚染レベルとその生物学的影響は比較的少ないと思っていたかもしれませんが、そうではないでしょう。私たちが見ている病的変化は、毒性物質や発癌物質汚染と明確に繋がりのあるものです」と言いました。けれども、こうした深海魚の諸々の変化を汚染と結び付けるは、今の時点では予備試験段階です。なぜならこれと同じ変化はまた天然由来の化合物によってももたらされるからです。化学的分析を追及していくと、病変と人の活動との決定的な関連をさらに示す事が出来そうです。
 研究者たちは、こうしたタイプの健康調査が深海生息魚についてなされた事があっても、僅かですと言いました。過去の大半の研究は、寄生虫相だけを確かめ、肝臓障害など生物の内臓問題については、極めて少なかったのです。けれどもこの問題は重要です。なぜならこの漁業資源の領域において関心が高まっている一方で、浅い大陸棚の漁場が僅かになっているからです。
 こうした大陸斜面に沿って海が深くなるのにつれ、そこは水銀、カドミウム、鉛などの重金属、そしてPCBや殺虫剤といった有機汚染物の巣窟となっています。他で見つかっている「両性」の魚の中には、エストロゲン(発情ホルモン物質)に似た「内分泌かく乱物質」によってもたらされた、突然変異の生殖器官があると思われています。
 この研究で判明した健康問題は、黒い太刀魚、オレンジラフィー、比較的大きなタラ、他のあまりよく知られていない種で見つかりました。そして広い範囲での炎症性の病気も含まれていて、病原体への宿主反応がある事を示唆しています。こうした深海や傾斜地域に生息する魚は、大抵ゆっくり成長し、海床近くに生息しています。比較的老齢で成熟し、100年も生きるものがいます。
 研究者たちはその報告で、魚はその長命の為に生物濃縮の毒を蓄積する能力があるので、「そうした種の魚が人間の食べ物になると、相当な健康問題になるかもしれません」と言いました。研究では「深海魚の有機汚染物は、大陸棚で見つかるものより10〜17倍も高いものがあります」と指摘されています。
 けれどもこうした汚染物の大半は、そうした魚の肝臓や生殖腺に移行し、その筋肉組織は比較的毒性が低くなります。それで「一般に人間の健康問題に対しては、それほど重大ではありません」と研究者たちは書いています。
 以前にアメリカ西部で成された研究で、科学者たちは殺虫剤、化石燃料の燃焼、農業、生産工程や他の供給源から毒性汚染物質を見つけました。それはまず空気汚染により、高山の湖に辿り着きました。特に殺虫剤の汚染が蔓延していました。
 ケント教授は「この二つの研究を合わせると、高山の湖から深海に至る世界の隅々の魚が、毒性物質の影響を受けているかもしれません」と言いました。
 *福島第一原発から海に流出している大量の放射性汚染物質は、日本海溝(深さ8000メートル)に流れ込み、いつか計り知れぬ影響を魚に与えるでしょう。研究はこれからですが、判明した段階では遅すぎるかも知れません。東電のぶざまな処置は、誰も責任を問われない事で、何度も繰り返されています。