ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

ネイチャー論説:日本は福島の危機を学び、それを軽減するする為、国際的な援助を取り入れるべきです。

 「相はかることがなければ、計画は破れる、はかる者が多ければ、それは必ず成る](箴言15:22)。
 以下は9月3日の英国誌ネイチャーの論説からの粗訳で、内田樹さんが一部訳されましたが、外国の論調を知るためでは全訳が適切と考え、著作権も考えながら訳してみました。ネイチャー誌は8月29日に論文を発表し、9月2日に更新しており、それを受けて編集室からの特別な論説となったと推測します。内田さんが考えるように、看過出来ない非常事態だと科学者たちは受け止めたのでしょう。きっかけは9月6日のcangaelさんのブログからです。

 大破した日本の福島第一原子力発電所の場所から漏れ出ている放射能汚染水は、1986年のウクライナにおけるチェルノブイリメルトダウン以来、世界最大の原子力危機の終焉を、私たちが見ていなかった事を厳しく思い起こさせます。2011年3月地震津波が福島発電所を活動不能にした後、その地域を除染する取り組みは、長期的・技術的な力を試され、膨大な出費を強いられるであろう事が明確になりました。今その仕事は原子力発電所の所有主である東京電力(TEPCO)には、あまりに大きくなり過ぎてしまいました。9月3日日本政府は、汚染除去を引き受ける計画を発表しましたが、その介入は延び延びになっています。左画像は真剣に論議するネイチャー編集委員たち等。ネットから借用。
 その事故以来2年半経過しましたが、東電は破壊された福島原発の3基の原子炉における核燃料保全の問題の性質と深刻さを、再三にわたり認識して来ませんでした。毎日およそ40万リットルの水がじょうごのように狭い所を通って炉心に入り、燃料棒を過熱から防いでいます。ほんのここ数か月で東電は汚染水が炉の基底部に漏れ出ており、ひびからコンクリートに流れ、さらに地下水に流れ込み、隣接した海に流れ込んでいる事を認めました。放射能被爆の単独の測定はほとんど利用出来ず、こうした漏れがどれほど人間の健康、環境、食物の安全に影響を与えているか、不明確で憂慮すべき事態です。しかし問題はそこで止まりません。今やほぼ1000もの貯蔵タンクが使用済み冷却水を留めていますが、それは浄化装置での処置があろうと、トリチウムや他の有毒な放射性核種を含んでおり、その漏れはこの系が手ぬるい保護下の時限爆弾のようなものである事を明確にしています。
 配管や貯蔵タンクがゴム製品の継ぎ目部で密閉されていたのが漏れの常態となっていたのは、何ら秘密でもありません。漏れを見つける為の東電の日常の巡回は無責任とは言えないにしても、いい加減だったのです。最近の出来事に対応して会社は検出器を用い、また追加的安全制御装置を用いてタンクを修理するつもりですが、それはまさにその場しのぎのやり方を示すもので、そこに貯蔵施設が初めて建てられました。一方常時蓄積して行く汚染水の結末は未決定のままです。それを海に捨てるというこの年はじめの提案が、地元の水産業界からの厳しい反対に直面したのは当然の事です。
 研究と浄化のための国際的提携が、損なわれた国民の信頼を回復するのに役立つでしょう。
 政府の過去の行動や情報政策を考えると、その状況を管理し、それを国民に伝える事では、東電はもはや適任ではないのではという疑いが出て来るでしょう。週末にかけて漏れているタンクの放射線量は最初の報告よりも18倍大きなものである事が分かりました。単なる「異常」として始まった漏出は、真正の危機に変わりました。日本は国際専門家たちに助けを求めて相談し始めるべきです。米国、ロシア、フランス、英国などの名が僅かながら上がっていますが、全て原子力技術、浄化、放射能による健康問題ではノウハウを持っており、日本には十分役立つ筈です。研究と浄化の国際提携は、監視と危機緩和の実用性と効果で、損なわれた国民の信頼を回復するのに役立つでしょう。
 漏出の最も重要な影響は福島沖の海、そしてもっと広い太平洋となるでしょう。それは詳しく監視されなければなりません。2011年、12年の米国と日本の科学者たちによる評価の後、2つの主要な問題が答えられずに残っています。1どれほどの放射性物質がまだ海に入り込んでいるのでしょうか?2事件後長期にわたり、幾つかの動物種で測定された高レベル放射能を考えると、いつその地域の魚と海産物は安全に食べられるのでしょうか?この漏出事故は、こうした疑問への答えを見つける為にも、さらに緊急なものとなります。
 環境への影響の信頼出来る評価をする為には、科学者たちは海洋食物網の汚染についてのデータを、全ての長期放射性核種と共に集める事が出来るようにする必要があります。特にセシウム137、ストロンチウム90とプルトニウム239です。科学者たちはまた汚染源を知り、地下水、堆積物、海流の放射性核種を研究する必要があります。安倍晋三首相とその政府は科学を強化促進する事を約束しました。安倍政権は情報収集と分かち合いをもって、世界中からの研究者たちを励まし支持するべきです。チェルノブイリは事故後の研究の機会を失いました。少なくもその意味で、福島はより良い結果を出せるかも知れません。