グリーンランドの氷が海面下からも溶けている:マントルからの熱波が氷の溶融の一因となっている
「神の息によって氷が張り、広い水が凍りつく」(ヨブ37:10)。
2013年8月11日のサイエンスデイリサイトでは、上記の題で研究報告がありました。
写真は同サイトから借用。
ドイツ地球科学研究センターを主体とする研究者たちは、グリーンランドの氷床がマントルから岩石圏に向かう高い熱流量が原因で下から溶けている事を突き止めました。
地球はその中心部が内核、その外側が外核、そしてマントルがあって、一番外側に地殻があります。マントル上部の岩石が流動しやすい部分をアセノスフェアと呼び、その上の流動しにくい固いマントルと地殻を合わせてリソスフェアと呼んでいます。
グリーンランドのリソスフェアは、その中央下で例外的に70〜80キロメートルの厚さしかないそうです。その原因はまだ分かっていませんが、その氷床はマントルからリソスフェアに向かう高い熱流量が原因で下から溶けています。*平均的なリソスフェアの厚さは100〜150キロあります。
その為氷床は1年におよそ227ギガトンの氷を失っており、毎年およそ3ミリという現在観察出来る平均的海面変化の一因となっています。
しかしそうした中央部と隣接した地域でのボーリング調査によれば、狭い範囲にも関わらず温度差が大きく、リソスフェアの厚さも違って来る事が分かりました。それで氷はその隣り合う地域での底部から溶け始めています。
研究者たちは氷の動力学と個体地球の熱力学的モデルを結ぶと、グリーンランドの氷を溶かしている作用の、さらに正確な見解が出て来ると言っています。
これと逆なのが炉心溶融し、原子炉建屋の下深く落下している高い熱を帯びた放射性物質の塊でしょう。地面を溶かしながら貫き、地球の中心を通り越して反対側の中国まで溶けていってしまうのではないかという冗談を込めたチャイナ・シンドロームはあまりに有名です^o^