世界中にいるバナナの愛好者の為に、コスタリカのワニが傷ついています。
「被造物自体も、滅びの束縛から解放され、神の子どもたちの栄光の自由の中に入れられます」(ローマ8:21)。
2013年9月25日のジョージア・パブリック・ラジオというサイトに、上記の題の記事がありました。
中米のコスタリカはバナナの大農場があり、そこで収穫されたバナナは、主としてそれが大好きな米国人のもとに輸出されます。
しかし大農場なのでバナナ栽培は大変です。その為そこではたくさんの殺虫剤が使用され、そこに含まれる化学物質は野生生物を傷つけているようです。なえ殺虫剤が多く使われるのかと言いますと、第一にバナナの木は特に害虫が大発生した時に影響を受けやすい事が挙げられます。第二にほとんどの大農場が熱帯にあり、そこにはさらに多くの種類の害虫が豊富にいるからだそうです。それは害虫に限らず、空中も浮遊する細菌類の害も受けます。そのバナナ細菌の事はブラック・シガトカと呼ばれています。
コスタリカのバナナ大農場の多くは、遠く離れた北東の地域にあります。そこはリオ・スエルテの上流にあたります。その地域は川や運河が多くあり、バナナ農場を流れ去り、保護された雨林に入ります。そこはトルチュグエロと呼ぶ保護地域の一部となっています。
ですから使用された殺虫剤は川や運河に流れ込み、この保護地区の動物たちに影響を与えています。その動物の一つが小さなメガネカイマンと呼ばれるワニです。
南アフリカのステレンボッシュ大学に籍を置く、野生生物学者ポール・グラント氏は、過去においてこの農場近くで大量の魚が死んだ為、その魚を食べたカイマンはどういう影響を受けるだろうかと思い、調査を開始しました。
特にカイマンは絶滅危惧種なので、殺虫剤が食物連鎖の頂点にいるカイマンまで届くかどうか、入念に調べました。
グラント氏と彼の同僚たちはカイマンの血液調査を行い、9つの殺虫剤を特定しました。そのうちたった2種類だけが現在も使われているだけでした。残った7つが「歴史上有名な有機汚染物質」でした。DDT、ディルドリン、エンドスルファンといった殺虫剤があり、それらは禁止されていてそのうちにはほぼもう10年にもなるものも存在します(日本では30年以上前から輸入禁止のものが多いです)。それらが環境の中で持続し、動物の体で増大します。カイマンはバナナ大農場近くでは濃縮度の高い殺虫剤がみつかっていますが、それほどでなくても、この大農場から遠く離れた地域に生息している、もっと原始的なカイマンにも見つかっています。ただ現在はそれでひどい被害は出ておらず、持続した調査が必要だと、グラン氏は言っています。