「汚染水のコントロールは不可能」
「あなたがたは、【主】の日に、戦いに耐えるために、破れ口を修理もせず、イスラエルの家の石垣も築かなかった」(エゼキエル13:5)。
2013年9月25日のハフポスト・ジャパンでは、グレゴリー・ヤッコ元米国原子力規制委員会委員長が、福島原発汚染水問題について東京で記者会見し、上記の事を指摘しました。ハフポスト・ジャパンの記事はテレビ朝日と、NHK]ニュースサイトでの発言を編集していましたが、詳しいのは後者で、次のサイトから見られます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130923/k10014742771000.html 左図はそのサイトから借用。
また9月26日の朝日新聞でも「どうする汚染水」の欄で、ヤッコ氏へ朝日ワシントン支局の記者がインタビューした記事が載っていました。
既に東電は同じ原子力規制委員会の元委員二人を招へいして、対策を練っていますが、世界各国の専門家たちの意見に耳を傾ける姿勢は全然ありません。
ヤッコ氏は安倍首相が「汚染水は完全にコントロール下にある」と述べた事に真っ向から反対し、「福島第一原発でタンクから汚染水が漏れ出した問題について『東京電力に対応能力がないという懸念を国際的にますます高めた。規模や関心の大きさから、なぜもっと早く政府が関与しなかったのか不思議でならない』」と、厳しく非難しました。そして「課題は今も続いていて、あしたとか来月などという期間では無くならない。何年、何十年、あるいは、福島第一原発が完全に廃炉になるまで続く。漁業者だけでなく、住民や経済に与えている影響は大変、甚大で、日本の原子力への国際的な信頼が揺らいでいる」と、楽観論を完璧に否定しました。そのように海外からの不信は根強いものがあります。
しかし朝日の記事を見ますと、「長期的にみて汚染水をこれ以上増やさず、原発内で水の循環を確立させることが最重要と考える。汚染水はいくらか海に放出せざるをえないかもしれないが、短期的かつ最小限にすべきだ。これは日本の信頼性に関わる問題でもある」と述べて、汚染水の海への短期的な放出はやむを得ないという認識を示しました。これは東電福島所属の同じ規制委員会出身科学者たちと、基本的に同じ見解でした。
最後に「100年後には原発が無くなってほしいという思いは共有したい」と述べ、「別の発電方法に目を向け、技術開発に専念するのが賢いやり方思う」と述べました。
ヤッコ氏は甘い認識で取り組む安倍首相らが責任をとって辞めるべきであり、東電も解体されるべきだと、心の底では思っているのではないでしょうか?そこが東電に「三顧の礼」をもって迎えられた二人と違うのでは?と推測しています。