脱原発「経営者もめざそう」 老舗かまぼこ店"鈴廣"が投じる一石
「知恵は真珠にまさり、どんな喜びも、これには比べられないからだ」(箴言8:11)
2013年11月21日のハフポスト・ジャパンサイトでは、上記の題で神奈川県小田原市の老舗かまぼこ店"鈴廣"の副社長が寄稿していました。
鈴廣の副社長は鈴木悌介氏です。右写真。今度『エネルギーから経済を考える』という本を出版したばかりです。写真はいずれも鈴廣から借用。
鈴廣は創業150周年だそうです。一番古いわけではありません。創業450周年を誇る「みのや吉兵衛」という店もあります。それほど小田原の蒲鉾は有名だという事です。
その老舗鈴廣では東日本大震災の直後に客が激減したそうです。たぶんに風評被害が多かったと思われますが、会社は安全を確認し、工場の地下水を無料で開放したら、多くの客が来たそうです。そうした経験から鈴木氏はいろいろな知恵を得ました。とにかく私たちと同じく、原発の安全性や経済性に疑問を抱いて、いろいろ考え勉強しました。
そして経済界の原発再稼働の大号令の中、中小企業としては何か行動に移さなければなりません。鈴木氏は「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」(エネ経会議)を立ち上げ、新しい現実を作っていこうと、大きく二つの柱を掲げて活動を開始しました。
第一に「地域で再生可能エネルギーを中心としたエネルギー自給の仕組みを小さくてもいいから作っていこう」という思考と実践です。
第二に「エネルギーはもっともっと賢い使い方があるはずで、学んで実践していこう」という事です。特に節電です。震災以後鈴廣は使用電力を2割減らしたそうです。太陽光発電を導入した事が大きかったでしょう。
大企業ならもっと踏み込んだ事が多く出来るかもしれません。しかし鈴木副社長は「自分ができること、仲間を募ってできること、これしか私はできない。小さい取り組みかもしれないけれども、エネ経会議のような取り組みを通じて、仲間をたくさん増やすことができれば、大きな力になっていって、影響力を持てるのではないかと思っています」と語っています。
鈴木氏は小田原商工会議所の会頭になったばかりです。日本商工会議所が纏めた、原発再稼働とそのさらなる推進とは反する行動です。ですから「後ろからごつんと殴られるとすぐころころっとしてしまう弱い立場」である事を認識しつつ、知恵を十全に活用しながら、この運動を続けて行きたいと願っています。
私もこうした知恵が必要です。いつでも反原発デモに行けるわけではありません。だからこそ紙つぶてのような自分で出来るところからと願っています。