ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

スノーデンは愛国者

 「王は正義によって国を建てる。しかし重税を取り立てる者は国を滅ぼす」(箴言29:4)
 2013年12月17日のハフポストサイトに、アンソニー・D・ロメロという人が「エドワード・スノーデン愛国者だ」という題で寄稿していました。彼はアメリカ自由人権協会の事務局長です。
左画像はガーディアンサイトから。同紙がピュリツァー賞を受けた後の会見で語るスノーデン氏。
 「何年にもわたり、政府の立法府、行政府、司法府によって認められ、秘密にされてきた政府の不法な活動の内部告発者として、スノーデン氏は公益の為、大きな個人的リスクを引き受けました」とロメロ氏は書き出しています。
 昨年12月16日、米国の首都ワシントン(コロンビア特別区)の連邦地裁判事は、NSA(国家安全保障局)の行っていた情報収集活動を、違憲の疑いがあるとの判断を下しました。その活動を暴露したのが、他ならぬスノーデン氏でした。8月2日のブログで触れましたが、その時点で彼はアメリカ司法省により、情報漏洩罪など数十の容疑で「容疑者」としての扱いを受けていました。オバマ大統領は対策に苦慮していました。
 それはとにかく、なぜスノーデン氏は故郷へ帰るべきなのでしょうか。
 まず第一に彼は極秘の計画に関する重要な事実の暴露にあたり、その文書を議会や行政府に持ち込まないで、ジャーナリストたちのもとへ証拠として提出しました。理由は彼が賢明にも、「公式ルート」からは、本当の結果を期待する事が出来なかったからです。例えばニューヨークタイムズが2005年にNSAの諜報計画を暴露すると、議会はFISA(外国諜報活動偵察法の司法認可の要求に対する手続きを定めるため、また外国諜報活動偵察法の法廷を作るため、1978年にアメリ連邦議会が通した法令)を用いて、この不法な計画を適法とし、さらに拡大適用しました。アメリカ自由人権協会の2つの訴訟も、最高裁で否決されてしまいました。しかし最近の動きでは法廷も議会もNSAの合憲性の書き換えを精力的に追及していますが、それはスノーデン氏による暴露の直接的結果です。(*ですから今となっては、彼は身分を守られ帰国すべきだと考えます)。
 第二に彼がもしハワイにいて即座に逮捕されたら、そこで適用される法律は彼が愛国的な内部告発者なのか、外国のスパイなのかを区別していません。彼が非憲法的な政府の行為で終身刑にされたら、本当に誤審となってしまうでしょう。ですから彼には特別な政策的措置が必要だった筈です。でもその可能性が低いので、彼はアメリカ民主主義促進の為に、故国を捨てたのです。(*彼はその措置で守られ帰国すべきです)。
 第三に彼を受け入れた国々では、彼の動機の信憑性に疑問が持たれていました。もし彼が民主主義を心底信じているなら、中国やロシアに救いを求めに行く事はなかったと。この議論は間違っています。米国当局は必死になって彼の身柄を確保すべく、各国に彼の引き渡しを要請した筈です。オバマもケリーも、スノーデン氏は連邦監獄に行く他、選択肢はない事を確かにする為尽力しました。ドイツ、ブラジル、メキシコも同様です。政治的亡命者の保護を表明しませんでした。
 今年2014年4月14日発表された公共サービス部門のピュリツァー賞には、「エドワード・スノーデン元中央情報局(CIA)職員からの情報提供を受けて米政府による情報活動の実態を明らかにした米紙ワシントン・ポストと英紙ガーディアンの米国版ガーディアンUSが受賞した」(CNNサイトによる)とありました。この2誌の業績は、以下に詳しく載っています。http://www.pulitzer.org/works/2014-Public-Service-Group1、同Group2。
 私はこれは喜ばしいニュースだと思います。日本の当局が情報隠しに躍起になっている現在、こうした勇気ある内部告発者が出にくい現状を考えると、彼は容疑者どころか、真の民主主義を信じる、勇気ある愛国的市民で、日本人の模範だと考えます。
 同時にこの賞の事を大々的に報じない日本のマスコミの情けなさを痛感します。