ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

福島原発避難者自殺訴訟の一審勝利

 「主は私の義にしたがって私に報い、私の手のきよさにしたがって私に償いをされた」(詩18:20)。

 福島第1原発事故で避難していた福島県川俣町山木屋の養鶏場従業員渡辺はま子さんが、2011年7月避難先の福島市から一時帰宅した際、自宅敷地内で焼身自殺をしました、夫の幹夫さんは東電を相手どって損害賠償の訴訟を起こしましたが、福島地裁は2014年8月26日「自殺と原発事故との間には相当因果関係がある」として、東電側に遺族4人の分として4,900万円を支払うよう命じる判決を下しました。この類の訴訟では継続審議中のものが多くあり、今回は初の画期的判決でした。画像はワシントンポストサイトより。自宅で遺影を掲げる渡辺幹夫さん。
 この報道は河北新報東京新聞などの他、ワシントンポストサイトでもさなれました。原発事故の責任をとろうとせず、裁判でも争う姿勢を見せているブラック企業東電に対する、海外の関心の深さを示すものと言えるでしょう。
 東京新聞8月28日の社説によると、はま子さんは川俣町生まれ、子ども3人を育て自宅を新築しました。そして養鶏場で働いていましたが、他のサイトを見てもすこぶる陽気な性格で、友人たちを呼んで自宅でカラオケをするほどだったそうです。
 そして原発事故の発生。この川俣町山木屋地区は計画的避難区域となり、渡辺さん一家は福島市への避難を余儀なくされました。養鶏場は閉鎖されて仕事を失い、住宅ローンも1450万円残りました。地域共同体とのつながりが断たれ、寂しいアパート暮らしの中で、早くも2011年6月には鬱状態になりました。審理を進めた裁判官は、そのストレスは強く、精神的負担は耐え難いほどだったと述べました。また東電は事故により、こうした自死する人々も予見出来たと、鋭く指摘しました。
 実際この原発事故による関連死は、東京新聞の調査で千人を越し、内閣府による福島県の震災関連自殺者数でさえ、2011年に10人、2012年に13人、2013年に23人、2014年現在でも既に10人を越えているそうです。
 ワシントンポストサイトによると、東電スポークスマン一杉義美氏は「福島第一原発事故福島県住民や多くの人々に、迷惑や不安をもたらしている事に対し、再度心底からお詫びします…また故渡辺はま子氏の魂に対し、切なる祈りを捧げます。判決内容をよく吟味し、真摯に対応します」と語りました。
 このコメントに対し、東京新聞では「東電は、その言葉どおりにすべての被災者に真摯な対応をしないと、さらなる怒りを買う」と結んでいました。私たちも同様です。もし東電が控訴すれば、私たちの怒りは倍加するでしょう。