ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』を読んで

 「イエスは、苦しみもだえて、いよいよ切に祈られた。汗が血のしずくのように地に落ちた」(ルカ22:44)。

 図書館で上記の本を借りて読みました。映画化もされました。最近これほど緊張しながら読んだ本は、他にありません。 この映画は2005年ドイツで制作されました。もう20年も前の事です。
 白バラ、又は白バラ抵抗運動は、1942年頃ドイツの反ナチス抵抗組織としてミュンヘン大学の学生たちが始めたもので、本に登場するハンス・ショルと妹のゾフィー・ショル、そして友人のクリストフ・プロープストらは、全て実在の人物です。
 彼らの抵抗運動と言えば、武器を持っての事ではなく、ビラという紙つぶてを蒔くという非暴力のものでした。
 しかしそれを実行したハンスとゾフィーは、学内に潜んでいた 秘密国家警察(ゲシュタポ)に見つかり逮捕されてしまいました。さらにビラの本文起草者の一人としてプロープストも逮捕されました。
 それですぐに裁判となるのですが、最初はゾフィーもハンスも罪状を否定しました。そのあたりのやり取りはハラハラさせられます。
 しかし家宅捜索で数々の証拠が見つかると、ハンスは事実を認めました。それを知ったゾフィーも極刑を覚悟し、容疑を全て認めた上で、自己の良心に従い、その行為の正当性を裁判の途中から堂々と主張するようになりました。
 最終弁論ではハンス、ゾフィー、そしてプロープストの3人が被告席に立ちます。プロープストは寛大な判決を乞い求めました。ハンスとゾフィーも彼を救おうと努力しました。
 しかし結果は皆死刑でした。この間僅か5日間、3人はすぐ処刑場に送られます。ゾフィーはまだ処刑まで3か月はあると思っていましたが、今すぐと聞いて、「心の奥深くまで衝撃を受け」「放心さたように看守を見…」「息が止まってしまいそうな恐怖と戦って…」いました。
 しかし正気に戻ったゾフィーは、両親と最期の再会をし、刑場に向かいます。そして刑場つきの牧師と会いました。
 敬虔なプロテスタントゾフィーは、そこで主に祈りを捧げます。「わが神よ、栄光に輝く父よ…」。そして牧師に祝祷を願います。牧師は「父なる神よ、祝福を与えたまえ」と執り成しの祈りを始め、最後に「三位一体の神が汝を慈悲深く裁き、永遠の命へと導かんことを」で閉じました。ゾフィーは平安で満たされました。
 刑は何とフランス革命の時使われたギロチンと同じものでした。しかし首を切られた兄ハンスと妹ゾフィーの霊魂は、その瞬間に天に引き上げられ、救い主キリストのみことば「彼らの目の涙をすっかりぬぐい取ってくださる。もはや死もなく、悲しみ、叫び、苦しみもない…」(黙示21:4)が成就します。
 *なぜ私がこの本を取り上げたのかは、すぐお分かりになると思います。日本の状況があのナチスドイツに急激に似て来ているからです。大学でのビラで逮捕、国会周辺のデモで逮捕等々、安倍恐怖内閣のもとでそんな事が生じないと誰が言えるでしょうか?