ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

森林除染とは

 「彼らは、わたしの民の傷を手軽にいやし、平安がないのに、『平安だ、平安だ』と言っている」(エレミヤ6:14)
 5月26日に福島県郡山市のアパートに入居し、翌27日から車で40分ほど北にある二本松市の某地区で、森林除染作業に携わりました。7月9日右足の膝に大怪我をし、歩けなくなったので、会社を辞めて11日に松戸に戻って来ました。その短い期間における除染作業の貴重な経験から見えて来た事を、何回かに分けて記してゆきたいと思います。
 森林除染とは何か。その1
 一般に除染作業は福島原発内部、福島県全域における住宅、農家などが点在し背後に広大な森林を抱えた地域での限定された場所の三つに分かれると思います。住宅除染は福島市を始め、どこでも既に除染済みと思われていますが、そうではありません。福島民報を見ますと、その作業の進捗状況が各市町村別に具体的な数字で示されていますが、5月末時点での進捗率は全体計画の57.9パーセントと、まだ6割にも達していません。
 一方福島県の面積は全国3位で、そのうち森林が占める割合は約7割と言われ、これも全国4位となっています。実に広大な面積になります。

 国で定めたその除染範囲は、住居に隣接した森林の場合、環境省の基準で林縁から約20mで、落ち葉等の堆積有機物の除去を中心としています。左画像。二本松の場合法面は平均30〜60度位だったでしょうか。勿論崖に近い角度の場所も存在し、そうした急峻な場所では除染範囲は、上記の半分10メートルでしか効果がなく、それ以上やっても無駄と指摘したサイトがありました。その実施範囲の測定は測量機器を用いず、メジャーを引っ張って、3辺を測定し、ヘロンの公式で一つ一つの三角形面積を計算したものを組み合せて図面を描いているようです。私も終わり頃この作業に携わりました。そうやって決めた範囲の要所要所に2本の旗を立て、1本は除染範囲を、もう1本はそれと共に定点線量測定地点としていました。
 もうお分かりでしょうが、一般住宅や農家に住む方々が安心出来るほど放射線量が下がる範囲を、経験的に20メートル、法面の急な所で10メートルという目安で除染するわけですが、短期的に効果が出たとしても、それが何の益となるでしょうか?もっと高く広いところから、雨・雪などが降るたびに、実施したところが再び汚染されるのは明白な事実です。他にもそうした住まいが無い森林の除染について環境省はいろいろ検討しているようですが、人間の力では不可能です。重機が入ってゆけません。どうやってフレコンバッグを下まで運ぶのでしょうか?それに私が最近のブログで追及したトリチウム汚染の事を考えてみると、除染作業は愚劣な策で、税金の無駄遣いもよいところです。
 それを遮二無二行い、黒いフレコンバッグに「落ち葉等の堆積有機物」を詰め、一個の完成で幾らという計算をするのですから、作業員は懸命にその量を増やそうとします。結果的に仮置き場はあっという間に一杯、次の箇所を探さなければならなくなります。そのフレコンバッグの山を見ていると、福島は遠からずそのバッグで埋め尽くされてしまうと思いました。一刻も早く原発を止めなければなりません。
 川内原発1号機の再稼動が8月11日始まり、午後11時に臨界に達したと報道にありました。
 近未来に日本中がフレコンだらけになろうとしているのに、九電や政府はいったい何を考えているのか!