ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

大雨で放射性廃棄物を詰めたフレコンバッグが流出した

 「それゆえ、見よ、主は、あの強く水かさの多いユーフラテス川の水、アッシリヤの王と、そのすべての栄光を、彼らの上にあふれさせる。それはすべての運河にあふれ、すべての堤を越え」(イザヤ8:7)。
 2015年9月、気象庁が平成27年9月関東・東北豪雨」と名付けた台風18号による記録的豪雨で、鬼怒川の堤防が決壊し、茨城県常総市を壊滅的な状況に陥れましたが、12日の新聞を見ますと、そことは別に福島県の飯館市を流れる新田川などが氾濫し、水田に仮置きしていた、農地除染で刈り取った草や土壌を詰めたフレコンバッグが流出しました。
 東京新聞によれば、82袋が発見され、37袋が回収されたとありました。

 左画像で森林の下を新田川が流れており、そこの水田にフレコンバッグを置いていました。村の正式の仮置き場がまだ設置されていなかったか、中間貯蔵施設大熊町への搬入時期が未定だった為に、やむを得ず「仮・仮置き場」として、まだ誰も戻って来られない村の水田が選ばれたのでしょう。
 それは飯館に限らず、福島のどこでも見られる光景です。私が除染体験した二本松も同じです。森林を切り開いて広く置き場を確保しても、事業をやっている各社は、フレコン一個作るごとになんぼという計算ですから、皆遮二無二作り、ダンプで仮置き場まで運び込みますから、たちまち市の仮置き場は満杯、私が行った時は、ちょうど次の仮置き場が完成し、そこまでの運搬を手伝いましたが、そこも間もなく一杯になってしまうでしょう。二本松では高台のところでしたが、飯館は今どこも高台で森林除染をやっており、また田畑も現在進行形ですから、やむを得ず水田になったのでしょう。村が場所を提供出来なければ、業者は不法にもあちこちに仮・仮置き場を勝手に作り、フレコンバッグを置いて行きます。
 しかしフレコンには必ずタグが付いており、その胴体にはラッカーで番号が大きく塗られていますから、その数は全て流出したとしても、記録に残されているでしょう。何個があり、また無くなったか、直ぐ分かります。
 問題はフレコンバッグそのものです。材質はPP(=ポリプロピレン)がほとんどだと思います。それに各社が漏れないよう様々な工夫をしています。しかしそれは紫外線や水分に対して弱く、直ぐ劣化しやすいそうで、ネットを参照してもおよそ5年ほどだそうです。ですから大震災から4年半経ているので、早く作られたものは仮置き場の底部から汚染物質が漏れ出しています。
 でも現場にいて分かるのは、劣化ではなく木の枝で容易に内部から穴が開いてしまう事です。規則では枝は長さ60センチ以内と決まっていますが、ノルマがあるとそんな事は言っていられません。集草したものをレーキなどで大量にかき集め、フレコンにどっと入れてゆくのですが、数日放置しておくと、すぐ縮小して規定の位置よりかなり下になってしまうので、仮置き場ではそうした規定を外れたものは、やり直し(もっと詰める)を命じられます。
 そこで作業員が一人バッグの中に入り、もう一人が外で支えつつ、ぎっしり詰まるよう、足で踏み固めて行きます。その過程で60センチを超える枝、特に竹などはあちこちでバッグを破り、外に突き出す形になります。
 しかし仮置き場では、あまりひどく穴が開いていない限り、大目に見ていますから、そこから汚染物が出てくるのは必至です。
 またこのフレコンバッグ、上側は土や草などを入れる為に開いていますから、詰め終わった後すぼめて、付属している紐で縛る事になります。一人では弱いので、だいたい二人で「せいの!」と掛け声を上げ、紐の両端を思い切り引っ張ってきつく縛ります。これは規定の量をかなり超えると、すぼめても余裕がなく、紐はすぐ外れてしまいます。

 今回流出したフレコンバッグにモノが入っていなかったというのは、そういう形で紐が外れ、中身がすべて出てしまったからです。人間の力なんて高が知れています。氾濫する河川の水の力の前では無力に等しいです。
 結果はどうなるか?明白です。氾濫河川の下流域に汚染物質が沈積するだけでしょう。今回飯館でしたから、あいにく放射線量はかなり高いです。そのようにして福島では今フレコンバッグそのものによる汚染拡大が至るところで見られるようになりました。また9月18日の東京新聞では、栃木県日光市の小百川の護岸が削られて334袋が流されたことを伝えていました。回収した14袋には、既に中身はありませんでした。keniti3545さんのブログから、改めて原発被害が日光にも深刻な被害をもたらした事を噛み締めました。左画像は二本松市の仮・仮置き場で。この作業には私も従事しました。
 一刻の猶予も許されません。原発廃止でその後始末をきちっと行う、これが政府の行うべき事ではありませんか?