ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

常磐線にはまだ不通区間がある

 「主は仰せられる。『盛り上げよ。土を盛り上げて、道を整えよ。わたしの民の道から、つまずきを取り除け』」(イザヤ57:14)

 画像はネットから借用し、私が一部改変。
平成28年(2016年)12月10日の福島民報には、「JR常磐線 相馬ー浜吉田間再開」という大見出しで記事がありました。
 厳密に言うと、相馬駅から北へ、駒ヶ嶺駅、新地駅(ここまで福島県)、坂元駅、山下駅から浜吉田駅(3駅とも宮城県亘理郡に属する)に至る区間の工事が完了し、10日に5年9ヶ月ぶり、運転が再開されたという事です。既に福島県南相馬市原町区にある原ノ町駅と相馬市相馬駅との間は、平成23年12月21日から先行して運転が再開されていたので、南相馬市(全区ではない)から宮城県の代表的都市仙台にある仙台駅まで電車で行く事が出来るようになったわけです。まあ福島県浜通りに住む一部住民の利便性向上にはなったと思います。仙台まで牛タンを食べに行けるからです(苦笑)
 この新しい開通区間東日本大震災津波で甚大な被害を受けました(駒ヶ嶺駅付近から浜吉田駅までの間の津波がいかにひどかったかは、例えばhttp://shi.na.coocan.jp/tohokukantodaijisin-8.htmlにある画像から分かります。新地駅を除き、私が聞いた事もない駅ばかりだったので、これらの画像には度肝を抜かれました)。
 ですからこの区間の工事は大がかりなものとなりました。山下駅、坂元駅、新地駅の3駅が津波で流された為、駅や線路を内陸側に移設、移設区間の4割が高架化されました。
 しかしです。これでめでたし、めでたしと思ったら大間違いです。題にも書きましたし、画像にもありますが、常磐線にはまだ不通区間があります。そしてそれこそ津波被害にもまさる困難さが待ち受けています。それが福島第一原発事故による放射能汚染です。
 画像左にある駅名を見ても分かりますが、今尚帰還困難区域にあります。南相馬市小高駅、磐城太田駅以北の区域は、避難指示解除が平成26年7月に解除されました。ですから私も解除後まもなく行った小高駅付近は見る事が出来、バリケードなどはありませんが(桃内駅も小高区なので同様)、まだ原ノ町駅まで、そして南は竜田駅まで電車は動いていません。勿論帰還困難区域の大野駅夜ノ森駅などは厳重なバリケードがあり、警備員がいて接近する事も出来ません。南の富岡地区、そして北の浪江地区は来年春には避難指示が解除されます。
 この相馬〜浜吉田間の開通で、途中の新地駅にて12月10日記念式典が行われました。誰がそこに行ったでしょうか?勿論安倍首相、内堀福島県知事、富田JR東日本社長ら、錚々たる面々です。
 そこで安倍首相は何と言ったでしょうか?常磐線について「2020年東京五輪までに線路を東京までつなげ、生き生きと復興している姿を世界に発信したい」!
 さらに帰還困難区域について「復興には国が前面に立って取り組む」「今後もできることは全てやり、復興を加速していくために全力を尽くす」と言いました。そのように安倍首相は、帰還困難区域であっても、出来るだけ除染し、その一部だけでも避難指示解除まで持って行くつもりです。
 でも放射能の事は眼中に無いのでしょうか?原発中心地大熊町夫沢地区で最大毎時11マイクロシーベルト夜ノ森駅付近2マイクロシーベルト(名物といわれる駅のつつじは、キログラムあたり数万ベクレルで、ごく最近、撤去しほんの一部残すという方針が決まりました)大野駅付近もそれ以上あります。除染除染と言っても、そんなに簡単に減るわけありません。セシウム137の半減期30年というのは、どこへ行ってしまったのでしょうか。もう忘れているのでしょうか?
 東京五輪までに「いきいきと復興」出来るわけがありません。それでもこの常磐線不通区間をごり押しで開通させ、列車の乗客を被ばくさせても「何ら問題はない」というのでしょうか?相馬市に住むAO153さんはブログでこう書いておられます。「電車の場合被曝時間が短いので問題はないかなと思いますけど」http://d.hatena.ne.jp/A0153/20161212/1481546050