ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

津波による浸水想定区域と防潮堤・防災林

「あなたの大滝のとどろきに淵が淵を呼び起こしあなたの波あなたの大波はみな私の上を越えて行きました」(詩42:7)

 2019年3月20日福島県は、東日本大震災のうち津波被害が大きかった沿岸部の10市町全域に対して、津波浸水想定区域図を公表した。福島民報にも大々的に載った。

 それに先立ち2月26日、政府の地震調査委員会は、今後30年間に日本海溝沿いで地震が起こる確率などを公表した。

 福島県では東日本大震災で、想定外となったM9・0超巨大地震が発生した。その後の調査で、M9クラスの発生確率はほぼゼロとなった。しかし日本海溝沿いにある青森・岩手・宮城・福島・茨城の各県別に見ると、福島県沖ではM7~7・5の地震が起こる確率は、50パーセントに引き上げられた。従来の10パーセントから5倍になり、危険度のランクは最も高くなったという。

 これを受けて県内の市町村は避難計画や訓練を一層強化する事になった。浜通りでは勿論津波対策だが、東電などの電力会社の場合、再稼働を早くしたいという思惑があるから、原発防災対策には消極的だという。

 その後の3月20日福島県津波の浸水想定区域を、具体的な図で示して公表した。それは東日本大震災級のM9が生じた場合を想定し、且つ海岸堤防や防災緑地などの対策を踏まえた上での地図だった。いろいろな条件を入力しての試算だが、津波浸水面積の図を見ると、3・11の時より3割は上回る面積となった。

 確かに3・11級の地震発生確率はゼロだから、この浸水区域はM7級では縮小されるだろう。しかし県の関係市町村ではこの結果を踏まえ、想定外であろうと津波対策の見直しが急務であると、危機感を募らせているという。

 私が住むいわき市勿来町では、自宅のところは大丈夫だが、歩いて10分の海岸では、浸水深さ2~5メートルに達する。高くなって海の見えない防潮堤を乗り越えての場合であろう。現実味はないにしても、この想定外を想定した地図作りは評価されると考える。つまり平素からその準備を真剣にしておくべきだという事だ。

 でも改めて思ったのは、自然を破壊し、浜通りを一変させるような防潮堤を建設した事、南相馬市雫地区で天皇・皇后も出席した海岸防災林作り、いわき市豊間の防災緑地など一連の対策は、いったいどんな意味を持ったのかという素朴な疑問である。

 それらによって、人命を救う効果は多少あると思うが、果たしてどうなのだろう。神が造られた自然を破壊し、机上で作成した防災設備建設の膨大な浪費、神はどう裁かれるだろう?