ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

双葉郡視察の旅3

「──【主】はこう言われる──見よ。わたしはヤコブの天幕を回復させ、その住まいをあわれむ。都はその丘の上に建て直され、宮殿はその定められている場所に建つ」(エレミヤ30:18)

 双葉郡視察の旅で三番目に訪れたのは「道の駅ならは」だった。

 福島第一原発の事故に因り、楢葉町は20キロ圏内の町として全町避難となった。それは2015年9月4日までの事で、翌日4年半ぶり避難指示解除となった。

 国道6号を通って分かるが、向かって東の海沿いには低地が広がる。北側の井出川と南側の木戸川河口付近は3・11の津波で大きな被害に遭った。6号の木戸川橋北から西に1キロ行くと、高架になっている常磐自動車道と出会う。その下を木戸川が悠然と流れている。

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 この川はサケの遡上で知られているが、大震災で長く捕獲が禁止され、稚魚の放流が途絶えていた為、震災前10万匹と言われたサケは、現在数千匹に留まっている。

 

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 6号のJヴィレッジ交差点から少し北に向かうと、「道の駅ならは」がある。ここは原発事故の後、2012年から19年3月まで双葉警察署の臨時庁舎として使用されていた。これまで私が通るたび、その警察の庁舎が一瞥出来たが、トイレ休憩だけ利用可能だった。

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 工事の期間は長かったが、この4月25日やっと一部が温泉保養施設としてオープンした。ちなみに入浴料金は大人700円とあった。物産館が再開されるのはまだ先である。

 6号から西側には阿武隈高地が広がり、川内村と境を接する。私は大熊町視察の帰りに、一部解除になった大河原地区より、南に長く続く県道35号(浪江いわき線)を初めて利用し、いわき市平に出た。6号以外にこうしたルートがあるとは知らなかった。楢葉町はずっと山道を通るが、5月2日連休中の事なので、私の車の後ろからは2~3台が追い越す事になった。反対車線の10数台に比べると少なく、車線は1台がぎりぎりだが、煽られる事はなく、マイペースで走る事が出来て幸いだった。印象に残ったのはこの深い山道だった。富岡町境から直ぐ南に位置する楢葉町上繁岡地区の放射線量は毎時0.2マイクロシーベルトだが、定点観測所のない奥深いところは、もっと多いと思う。広報ならはの8月号では、観測所のデータは基準を0.23μ㏜/hとすれば、全て下回り、安定しているようだ。

 次は富岡町に入って、東電の廃炉資料館を見学して来た。

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 この前身は福島第二原発エネルギー館と言い、年配の方ならそちらで覚えている人が多い。洒落た建物である。中に入ってびっくりしたが、シアター室など圧倒される迫力だった。展示も極めて豊富で、事故から現在の廃炉に至るまで、何でも見る事が出来る。勿論第一原発事故の原因など、東電側の視点が一貫しているが、2~3時間の見学でそれは分からないと思う。富岡駅からも歩いて行けるので、利便性はあり、おおよその事を把握するには、お勧めの施設だ。

 さらに北上し、大熊町の大野病院近くで、福島第一聖書バプテスト教会の立派な建物の方向を向き、いつかそこが再開されるよう祈ってから、どこも入れない双葉町を通過し、浪江町に入った。

 目指すは浪江町幾世橋に新しく出来たなみえ創成小学校・中学校である。

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昨年開校の時の生徒数は、小学校も中学校も一桁だった。何しろ浪江町に帰還した人々の数は、7月段階でやっと1095人、人口の6%に過ぎないから、当然そうなるだろう。帰還困難区域は浪江町総面積の実に8割に及ぶ。この旅では再度浪江駅周辺も見て来たが、指定解除前とそう変わっていないようだ。富岡町駅前で大規模な再開発がされているのとは対照的である。教会の浪江出身の人は、家を解体しても、土地は残っているから、雑草狩りなどで何度もそこへ行く。6号を通る時は、双葉郡広野町楢葉町富岡町位まで多少の賑わいは感じるけれども、大熊・双葉町に入った途端、車の数も減り、周囲の光景は非常に寂しく、浪江町に入ると、もう町の復興は無理だろうと実感するそうだ。

 そして旅の終着市、南相馬市にたどり着いた。朝7時20分家を出て、ここ南相馬市小高区の小高駅に午後1時45分到着、直行ではないから6時間半位かかった。

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 小高区は約2年前指定解除になり、駅の西側に小高産業技術高校が出来、生徒がこの駅で乗り降りするようになった。芥川賞受賞作家柳美里さんもここに移り住み、フルハウスという本屋を開いたが、今度は喫茶店も作るという。その中心街も徐々に活発化している。

 旅1日目の宿泊施設ジュネス・リビエールは、原町区原ノ町駅から西、原町高校やイオンのあるところの少し先で、4時半頃到着した。

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 簡素な宿泊棟が並び、除染作業員の人たちが良く利用しているようだ。1泊朝食付きで4,900円だった。夕食はイオンで買い物して部屋で食べたが、朝食は素朴な和食バイキングだった。糖尿病の私には十分だった。次の機会もここを利用しよう。

 一日目が終わった。次は双葉郡視察の旅4として記すつもりである。