ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

イノシシの革製品

 「そして、ペテロはしばらくの間、ヨッパで、皮なめしのシモンという人の家に泊まっていた(使徒9:43)。
 双葉郡大熊町からいわきに避難して来た人々の話を伺うと、帰還困難区域の為、許可を得て自分の家に行ってみても、掃除などすぐ制限時間を越えてしまい、結局中途半端で戻って来ると言っています。地震の被害もそうですが、厳重にカギを閉め、防御体制をとっておいても、最近はイノシシが頻繁に侵入し荒し回るので、たとえ指定解除になっても、もう家を修復して帰還する気持ちは全くないとの事でした。ネズミの跋扈も侮れませんが、これは本当に深刻です。ハクビシンが住みつき多少荒れていても、逃げ去って、掃除で何とか住んでいる我が家は幸いでした。
 このイノシシ退治ですが、3・11原発事故後、双葉郡のいっそうの人口減少と高齢化で、猟師が減り、たとえ捕獲出来ても検出される放射能値が高く、肉を加工して出荷するのは、今でも制限されています。
 その影響もあって、イノシシの数が非常に増え、何とか知恵を絞って対策を考えなければなりません。
画像はネットからお借りしました。
 そこで伊達市霊山(りょうぜん)町では、捕獲したイノシシの皮を利用し、それをなめして皮から革製品に仕立てる試みを始めました。17年6月21日の福島民報で紹介されていましたが、伊達市の農林業振興公社(http://www.ino-date.com/kosha)で作られた幼児用の靴が好評のようです。そのホームページを見ると、他にもコインケースやペンケースなど商品が載っています。
 民報によると「なめす前と後で放射性物質の検査を実施し、安全性を確認している」との事です。
 聖書の時代でも皮なめしは熟練した人がやっていました。製品はテント、サンダル、腰の帯など多様でした。動物の種類は多岐にわたったでしょうが、中にはレビ記11章にある儀式的に汚れた動物、例えば豚の皮を扱う人もいたので、その死体にも触れてはいけない、とするユダヤ教の頑固な人々の間では、汚れた職業とみなされ、皮なめし職人は町の中心街から外れた所に住む事を余儀なくされました。まるで江戸時代の穢多のような扱いを受けていました。
 使徒ペテロはこの皮なめしのシモンという人の所に泊まり、「神がきよめた物を、きよくないと言ってはならない」との啓示を神から直接受け、異邦人伝道拡大の為の拠点となりました。
 農林業振興公社のイノシシ革製品の売り上げは好調だという事ですが、民報では「なめし業者や猟師への報酬などコスト面での課題もある」と報じていました。
 通気性に優れ、摩擦に強く、感触が軟らかいなど、良いことずくめですが、事務局長の話では「イノシシ革製品の認知度はまだまだ低い」そうです。だから「販路拡大のために猪突猛進の覚悟で臨む」と言っていました。
 イノシシによる甚大な被害を考えると、たくさん捕獲して、こうした革製品をもっと普及させるというのは、良いアイデアだと思いました。伊達市にも放射能を巡って「伊達騒動」はありましたが。