ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

伝統の凍み餅と新しい手法の取り入れ

「そこで、イエスは言われた。「だから、天の御国の弟子となった学者はみな、自分の倉から新しい物でも古い物でも取り出す一家の主人のようなものです。」(マタイ13:52)

 福島に引っ越して来てから、都会ではあまり考えた事の無かった、福島伝統の「食文化」に目を奪われた。

 凍み餅(=しみもち)を作って蓄えておくというのもそうだろう。

 その歴史は古い。ウイキによると既に鎌倉時代まで遡るという。東北などの寒冷地で作られ、飢饉への備えや普段の時の食事や子どものおやつなどで利用されて来た。

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 画像は会津坂下町で作られたもの。『会津郷土料理』から借用。この地では江戸時代から盛んで、今も会津一円で食べられているという。

 1月6日の福島民報では「オヤマボクチなどを混ぜてついた餅を冬に屋外に干し、凍らせて作る保存食」とあった。オヤマボクチとは別名ヤマゴボウ多年草の一つで、凍み餅を作るときのつなぎとして、もち米などと混ぜて使うそうだ。

 ところが山林で自生するこのオヤマボクチは、2011年3月の原発事故後、放射能が飛散した地域では相当汚染され、出荷の制限がかかった。

 それから5年後の葛尾村では、キログラムあたり100ベクレル(セシウム134,137の合算値)をずっと下回っている。でも今年福島民報では、まだ採取が控えられているという。

 それでは食文化は廃れる。村の凍み餅が無くなってしまうという危機感から、村は郡山女子大短大と提携して保存の為の研究を進め、大学の内部で「種を発芽させ、苗を育てることに成功した」(民報2019年1月8日)そうである。勿論震災前の採取量には到底及ばない。これから伸びてゆくだろう。古いものに新しいものが加わって、手もちの駒が増えた、上記聖書個所における一家の主人のようなものか。

 この研究では、大震災前まであまり明らかになっていなかった事も分かった。健康の為にも優れた食品だったのである。一例としてはカルシウム、切り餅の15倍、鉄分は7倍で、食物繊維も豊富だという。つまり骨を丈夫にし、胃腸の働きを整える働きがある。

 私は慢性的に鉄不足で貧血気味である。だからこうした話は嬉しいと言いたいところだが、何しろ餅はGI値グリセミック・インデックス)が高い。1976年に胃を全摘し、1989年に大腸をかなり切りとってから4年目、突然糖尿病だと言われた。それから26年、遂に食後血糖値も平均値も改善されなくなり、遠からずインスリン注射になりそうである。まだ2週間に1回検査をしているので、突出した値が出れば、この2週間に何を食べましたかと詰問される。

 凍み餅はおやつとして優れているのに、食べられなくてはなはだ残念である。鉄分が多ければ尚更。健康な大人の皆様には、福島の食文化を担うこの餅を、是非食べて頂きたい。