ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

福島県産米の全量全袋検査の重荷

「…律法学者、パリサイ人たちは、モーセの座を占めています。ですから、彼らがあなたがたに言うことはみな、行い、守りなさい。けれども、彼らの行いをまねてはいけません。彼らは言うことは言うが、実行しないからです。また、彼らは重い荷をくくって、人の肩に載せ、自分はそれに指一本さわろうとはしません」(マタイ23:2−4)。
 17年12月13日の福島民報に、福島県産米の全量全袋検査は「手間かかり重荷に」という大きな見出しの記事がありました。

 私は重いものを手で運ぶ場合、例えばスーパーで米を10キロ買うとしたら、両手で胸に抱き抱える形でしか出来ません。5キロならまあまあだと思います。ですから10キロを越えたら、台車などで運ばなければ無理です。
 昨年は前の年から引き続き、米作の手伝いをしました。そして秋の収穫後は玄米を30キロの袋に入れて軽トラックで運ぶのですが、それをやっている隣の友人は力持ちで、30キロをひょっと肩に乗せて、或いは両手で抱えて運ぶ事が出来ます。でも40代の若さと力だから可能であって、ずっと高齢の方ならとても無理だと思っていました。
 放射能の影響で福島県は未だ米に関しては全量全袋検査を実施しています。各農家は収穫した玄米を検査場に持って行く事になりますが、1袋や2袋の話ではありません。民報で取材した農家の人は毎年30トンを収穫するので、自宅の倉庫には30キロ入り玄米が1000袋も並べられます。60歳を越えたこの人は、1回軽トラまで運ぶだけで「腰つきがふらふらにな」るそうです。
 これでは喜びの収穫期となるはずの秋は、憂うつな季節となってしまいます。なぜそうなってしまったのでしょうか?いろいろ理由はあるにしても、私はこの30キロが大きな重荷だと思います。原発事故の為に全量全袋を検査しなければなりません。それも「検査機器の仕様」の為に、30キロの袋単位になるのだそうです。そこに大きな問題があると見ました。そんな規格のものを作ったのは、おそらく現場を何も知らない役人だと想像したわけです。そうでなくても、上記聖書個所に出て来る律法学者・パリサイ人のような人が考えたのでしょう。
 朝日新聞が伝える国の指針では「直近の3年間で基準値(1キロ当たり100ベクレル)の半分にあたる50ベクレル超の放射性セシウムが検出された品目があった場合、検査を続ける必要がある」と定められています。2015年から17年までそれはゼロでした。12〜14年は僅かながらも検出されていました。
 ゆえに昨年末あたりの新聞の情報では、農家として抽出検査に移行して欲しいという要望が出ていました。
 しかしそれにはプラスマイナスの評価がありました。全袋なら安全だしありがたいというプラスの評価と、その検査が続く限り、本当に安全なのか不安の声も上がる、というマイナスの評価でした。
 今年1月18日の検討会における県の素案は「当面は全量全袋検査を続けて、その後、他の作物と同じ抽出検査に切り替える」というものでした。ちなみに検査場での測定には、年間60億円程の費用がかかり、約52億円を東電に請求し、残り約8億円は国の補助金を充てているそうです。
 私は3・11から7年を迎えようとする今、これをどう考えたらよいのか分かりません。検査機器の仕様が重さ10キロになれば、運搬には3つの袋に詰めてという3倍の労力と時間がかかります。しかし30キロでは、老いも若きも体力的にはすごい重荷になるという事くらいでしょうか。
 勿論1キログラムあたり100ベクレル以下という国の基準値の問題もついて回ります。