ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

西洋わさびとからし種

 わさびと言えば、普通日本わさびを連想させます。それは水が冷たくてきれいな山奥の渓谷に自生しているものと覚えています。私の叔父のいる静岡県駿東郡清水町は有数の産地でしょう。沼津に行くと駅の販売店で必ず丸い木箱に収まったこのわさびを売っています。
 一時兵庫にいた時は、隣の親父さんが飾磨郡や宍粟郡の山奥に出かけ、それを採って来ては分けてくれたものでした。その香辛料としてのわさびはいかにも食欲をそそるものでした。しかしそうした条件下での採取が難しいので、市販されている日本のわさびは少なくて高価でした。
 ところが朝日の5月31日号では、「西洋わさび」をずっと研究している玉木さんという方を紹介していました。ちなみに西洋わさびは日本のものと比べると、株分けで簡単に育ち収量が増えるので、ずっと安価で出回るそうです。
 玉木さんは北海道の網走市という寒冷地で、ずっと味や香りや辛味などのよいもの、さらに収量がもっと増える良質のものを求めて、研究を続けて来たのです。そして遂に病気にも強い新しい品種を作り出しました。
 この西洋わさびは根が畑の地下で伸び、1メートルほどになった頃掘り出すのだそうです。香辛料としての主成分はアリールイソチオシアネートという物質だそうです。
 そういう事を学びながら、すぐに頭に浮かんだのが、同じ香辛料でも聖書に出て来る「からし種」です。
 このからしは西洋がらし、英語で(オリエンタル)マスタードです。やはり香辛料としての主成分はやはりアリールイソチオシアネートだそうです。
 聖書ではからし種(ギリシャ語コッコン・シナペオース)は、種の中でもとりわけ小さなものです。
 「それはからし種のようなものです。地に蒔かれるときには、地に蒔かれる種の中で、一番小さいのですが」(マルコ4:31)。
 しかしそれが成長すると相当大きな木になるようです。
 「生長すると、どの野菜よりも大きくなり、空の鳥が来て、その枝に巣を作るほどの木になります」(マタイ13:32)。
 聖書時代の昔、この種は「品種改良」を行わなくても、大きく成長出来たようです。しかし聖書ではその話は食べ物、香辛料としてというより、別の譬えの為に使用されており、箇所も5つと決して多くありません。主食の小麦・大麦のパンに添えるものとして多用されてはいなかったのかも知れません。
 一番小さな種が大きな木に成長するという事で、主イエス・キリストは、からし種を「信仰」の譬えとして引用しています。
 「あなたがたの信仰が薄いからです。まことに、あなたがたに告げます。もし、からし種ほどの信仰があったら、この山に、『ここからあそこに移れ。』と言えば移るのです。どんなことでも、あなたがたにできないことはありません」(マタイ17:20)。
 西洋からしが品種改良で増殖するように、からし種のような小さな信仰でも、それが真であるなら、次第に「練り清められて」香辛料としての味のように、一味違う立派なクリスチャンとして成長して行けるのです。悪い意味合いのある「空の鳥」のように世の誘惑や攻勢も強くなりますが。