ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

オリーブ油の効果に関わる新発見

 米国神経化学誌1月19日号には、最高級のオリーブ油は口ではなく、喉でその味を感じるという事に関する研究論文が載っていました。
 この油を飲むと、舌で辛味を感じる唐辛子の成分カプサイシンなどとは異なり、喉でピリピリとした刺激を感じるそうです。サイエンスナウ誌電子版の題(英文)に咳という言葉があって、はてなんだろうと思っていたのですが、http://www.beetree.co.jp/lecture/lecture.htmを参照したら、この辛味の為に咳き込む事があるそうで、それを指しているのだなと分かりました。
 ところでこの喉でオリーブ油を感じる為には、舌の味蕾組織に味覚受容体(*3種類のタンパク質T1R1、T1R2、T1R3)が存在するように、何らかの受容体が喉に存在する事になります。
 それが今回発見されたTRPA1と呼ばれる受容体です。それは咳を催すピリピリ感の成分であるオレオカンタールと特異的に結び付くようです。このオレオカンタールは抗炎症作用を有する物質で、2005年に米国ペンシルベニア大の研究者たちにより発見、公表されています。
 また今回の研究チームはTRPA1が、化学的には無関係なイブプロフェンという物質とも結び付く事が分かりました。これもまた風邪薬などに含まれる抗炎症薬でした。ちなみにイタリア人が風邪をひいた時によく搾り立て極上のオリーブ油を飲んだり、肌に塗ったりするのはその効果の為でした。
 この二つの異なる物質オレオカンタールとイブプロフェンが相関関係にある事が明らかにされた事で、さらに良い抗炎症薬が開発されるかも知れません。
 ところで聖書ではこの極上のオリーブ油は、主なる神に捧げる穀物の捧げ物で用いられています。
 「穀物のささげ物としては、上質のオリーブ油四分の一ヒンを混ぜた小麦粉十分の一エパとする」(民数28:5)。
 しかし新約においては、上記の抗炎症作用があるので、病人に対して用いられた事が記載されています。
 「あなたがたのうちに病気の人がいますか。その人は教会の長老たちを招き、主の御名によって、オリーブ油を塗って祈ってもらいなさい」(ヤコブ5:14)。
 そのオリーブ油の作用が最も分かる形で示されているのが、ルカ伝10:34にあります。そこでは強盗に襲われて殴りつけられ、半殺しの目に会った人に対して憐憫の情を抱いたサマリヤ人が用いています。
 「近寄って傷にオリーブ油とぶどう酒を注いで、ほうたいをし、自分の家畜に乗せて宿屋に連れて行き、介抱してやった」。
 この病にある両者が飲み薬、塗り薬として効用のあるオリーブ油で処方してもらったのでした。
 神は既にこの作用をよくご存知でしたが、今回のチームは極上のオリーブ油を通し、オレオカンタールがTRPA1という受容体と結び付く事を発見したのでした。