ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

ジャンク(=がらくた)DNAは結局それほど無用ではない

 2012年9月6日のタイム誌サイト(http://healthland.time.com/2012/09/06/junk-dna-not-so-useless-after-all/#ixzz25jX4iAKB)では、上記の題で論文紹介がありました。こうした論文はネイチャー誌その他複数の雑誌などで見られます。共同機関によるエンコード(The Encyclopedia of DNA Elements=ENCODE=DNA成分百科事典)計画は、2003年から10年計画で始まった全ヒトゲノム(DNA)の百科事典を作成することを目指したものでした。それが2012年9月5日段階で、画期的な成果を収めたと言えます。
 32の研究所と442人の研究者が、147種の細胞に対して、コンピューター解析、生化学的な実験、塩基配列解読などを利用して研究を行ったそうです。
 それに先立ちアメリカのエネルギー省とアメリ国立衛生研究所(NIH)の主導の下、「ヒトゲノム計画」が1990年に開始され、2003年に終了しました。その時点では30億にのぼるDNAの全塩基配列(A、T、G、Cといった4文字による。それぞれアデニン、チミン、グアニン、シトシンの頭文字)が解読されたものの、その中でタンパク質を作り出す遺伝子の数は僅か2万1千個ほどで、残りの98パーセントは、遺伝子と無関係とされ、ジャンク(=がらくた)DNAと呼ばれていました。
 ヒトの染色体数は23対46本ありますが、その第一染色体の始まり部分を例として取り上げると、ACCCACAGCACTCATTCCTGAAGCTACTGGTTGGTTCCCTGAGAGGTCCCAGAACTCTGCGAAGTGAGTC…となります。

 とにかくこうした2万1千個の遺伝子の間にある98パーセントのヒト塩基配列は、科学者たちを悩ませました。正体の分からぬダークマターのようなものでした。
 それで今回のエンコード計画で判明した事は、科学者たちを驚嘆させたと言ってよいでしょう。つまりジャンクDNAと呼ばれていたものが、実は極めて重要な遺伝子制御活動の座となっていた事です。それもおよそヒトゲノムの80パーセントが、生化学的に活動している事が分かりました。そのうち400万ほどが「遺伝子スイッチ」と呼ばれており、転写制御因子として、遺伝子のスイッチをオンにしたりオフにしたりする事、それらがどれくらいのたんぱく質を作るべきかという事に関与していました。
 それによって一般的な慢性病である糖尿病、心臓病、高血圧などを解明するのに、いっそう役立つようになりました。1989年私が手術を受けて、疑いありと判定された自己免疫疾患であるクローン病の新しい制御系も分かったそうです。
 しかしエンコードの資料では、これはまだ過小評価ともいえそうで、こうした研究の中にはまだ驚くべき量の情報が隠されていて、再分析する必要があると、ワシントン大学のある教授は述べています。
 そのように人を含む生物の全ゲノムには、まだまだ未知の事が多く、やはりその複雑な仕組みに神が関与しておられる事を実感じます。
 「あなたは知らないのか。聞いていないのか。『主』は永遠の神、地の果てまで創造された方。疲れることなく、たゆむことなく、その英知は測り知れない」(イザヤ40:28)。
 同時にチンパンジーとヒトについて、遺伝子の断片から遺伝子情報全体を推測し、その違いが約1.2パーセントでほとんど違いがなく、ヒトの直接の祖先はチンプだといった主張がいかにナンセンスであるか、さらにいっそうよく分かるようになると確信します。