ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

運動失調症

「しかも、人は一生、闇の中で食事をする。多くの苛立ち、病気、そして激しい怒り」(伝道5:17)。

昨年8月頃は糖尿病の進行状況の目安となる平均値(A1c)が高止まりで、おそらく食後の血糖値も300を超えていたと思う。

どういうわけか、歩いていると常時フラフラする状態が生じ、今もそうである。

この原因については、通っている糖尿病専門クリニックでは分からないとの事だったので、ネットで調べ脳神経内科で診てもらうのが良いと自己診断し、かかりつけの先生に紹介状を書いてもらい、そこに行った。MRIや血液検査などの結果が分かった。

おそらくこの高血糖状態が続いていて発症したと思われるのが、抗GAD抗体陽性小脳変性運動失調症という長たらしい病名である。

GADというのは、グルタミン酸デカルボキシラーゼの略称、膵臓のβ細胞や神経細胞に存在する脱炭素酵素である。

私は大腸の上行結腸狭窄の手術を受けて退院したあと、1993年頃突然高血糖となり、高校1年で同じクラス、長らく東京農大の栄養学の教授をしていた友人に原因を訊いてみた。私自身も胃全摘後、相当な年月を経て発症する確率の高い、ビタミンB12欠乏性巨赤芽球性貧血(現在はB12は皮下注射で制御しているが、原因不明の貧血は続いている)に、胃を全摘すると無くなる内因子が関与している事を知っていた。

だから友人はおそらく胃全摘出後、まだ解明されていない、大腸との連絡を取る別の内因子というのがあって、大腸を2分の1取った後、それが無くなり、一気に糖尿病おそらくⅠ型糖尿病になったのだろうと言う。私も同感だった。

従ってⅠ型糖尿病とすると、その期間が長いほど自己抗体(=抗GAD抗体)が出来やすく、実際それが陽性と出たわけである。まだそんなに進行していないので、様子見となった次第である。進行してしまうと厄介で、ネットでは入院して免疫グロブリン大量静注療法を行わなければならないとある。

ではなぜそれが小脳に関わるのだろう?

グルタミン酸デカルボキシラーゼは、小脳皮質における神経細胞(=プルキンエ細胞)にも存在し、それが抗GAD抗体により損傷を受けて、小脳失調症が生じるという事らしい。へたった膵臓で産生された抗GAD抗体が、標的を小脳の神経細胞にも向けて、その変性(萎縮もあるらしい)をもたらしたのか?最近の成果の一部なので、まだ未解明の事ばかりだそうだ。

この小脳損傷で生じた症状が歩行時のふらつき、構音障害(うまく発音出来ない)等で、実際私の場合それに相当する。正確に発音出来なくなり、思っている事が相手に伝わらず、訊き返される事が、教会ではしばしばある。この夏は米国から教会を訪れた人々がいたが、彼らに向かっても英語で正しい発音が出来なかった。

構音障害はとにかく、寝ている時、座っている時を除き、立ち上がって歩こうとすると、すぐふらつく。だから転倒しないよう、細心の注意が必要になって来た。高血糖で膝下の骨格筋がごっそり無くなり、サルコペニアという症状もあるので(脳神経内科の検査で、体幹、四肢とも、筋肉量が低い事が分かった)、自分の身を支えるのがやっと、結構歩くと、もう疲れてベッドで休まないと回復しない。

というわけで、読者の皆様には大変心配をおかけしているが、教会では負の面から少しでもプラスのところを見つけ、主にあって前向きに歩む事が勧められている。その通りだと思う。そのプラス面とは、高血糖が運動や食事の調節でかなり改善され、この8月段階で平均値が6・7と非常に良くなった事(当分薬で制御出来る)、平坦な所なら1時間でも平気に歩けるという事である。これは持続させなければならない。運動→疲労→ベッドだけの生活なら、瞬く間に廃用症候群になってしまう。背筋を伸ばし、真っすぐ歩く、海岸が近いので、そこでマラソンもする、それが希望に繋がると思う。「聖書はこう言っています。『この方に信頼する者は、だれも失望させられることがない』」(ローマ10:11)。